【漆喰コラム④】漆喰とビニールクロスの基本的な違い
こんにちは。
前回の漆喰コラム③では、漆喰の家がどんな人におすすめ?についてお話しました。
今回は、漆喰とビニールクロスの基本的な違いについてお話していきたいと思います。
1.漆喰とビニールクロスの基本的な違い
まず、漆喰とビニールクロスがどのようなものかを再度確認しましょう。
【漆喰(しっくい)】
漆喰は、天然素材を使用した壁仕上げ材です。
主に「石灰(せっかい)」を基に、砂や水を加えて作られます。
漆喰は、非常に古くから日本の伝統的な建築に使われており、寺院や城、民家などで広く使用されています。
その特徴としては、自然素材であり、環境に優しい。
調湿効果があり、湿気を調整するため、湿度の高い地域でも快適に過ごせる。
その仕上がりには、手作り感があり、塗り壁ならではの温かみが感じられる。
耐久性が高く、長期間にわたって維持される。
【ビニールクロス】
ビニールクロスは、合成樹脂(ビニール)を使用した壁紙で、主にプラスチック素材が使われています。
現代の住宅で非常に一般的な壁材です。
特徴としては、安価で手軽に使えるためコストを抑えた住宅に向いています。
表面は、ビニール膜で覆われているため、防水性や汚れのつきにくさがあり、簡単に掃除できる。
デザインが非常に豊富で、色や模様も多彩に選べる。
取り付けが簡単で、施工にかかる時間も短い。
これらを踏まえて、次に価格や施工方法の違いを掘り下げていきます。
2.価格の違い
【漆喰の価格】
漆喰は、一般的に高価な仕上げ材として知られています。
材料自体の価格が高いため、壁を漆喰で仕上げる場合、コストがかさむ傾向にあります。
主に職人による手作業で塗り込んでいくため、施工費用もビニールクロスよりも高くなります。
材料費:漆喰は、天然の石灰や砂を使っているため、製造工程で手間がかかります。
そのため、1平方メートルあたり4,000円〜7,000円程度が相場です。
施工費:漆喰を塗る作業には、左官職人が必要です。左官職人は技術を要するため、施工費も高く、1平方メートルあたり2,000円〜5,000円程度が目安となります。
漆喰仕上げの家のトータルコストは高くなることが多く、例えば100㎡の壁を漆喰で仕上げる場合、材料費と施工費合わせて50万円〜80万円程度かかることがあります。
【ビニールクロスの価格】
ビニールクロスは、製造が非常に効率的で大量生産されているため、材料費が低く抑えられます。
また、施工が比較的簡単であり、専門的な職人を必要としないため、施工費も安価です。
材料費:ビニールクロスは、1平方メートルあたり1,000円〜2,000円程度が相場です。デザインや質感によっても価格は異なりますが、漆喰に比べると非常に安価です。
施工費:ビニールクロスは、誰でも比較的簡単に貼れるため、施工費は1平方メートルあたり500円〜1,500円程度で済むことが多いです。
ビニールクロスでのトータルコストは、例えば100㎡の壁の場合、材料費と施工費合わせて10万円〜20万円程度になることが一般的です。
3.施工方法の違い
【漆喰の施工】
漆喰は、塗り方や仕上げ方に個性が出るため、職人の技術によって仕上がりに差が生まれます。
施工の流れとしては、以下のような手順で進められます。
下地の準備:壁面が平滑でないと、漆喰が均等に塗れないため、下地を整えます。
塗り込み:漆喰を数層に分けて塗り込んでいきます。塗る際には、職人が手作業で塗り広げていくため、時間と労力がかかります。
乾燥と仕上げ:塗った漆喰が乾燥し、最終的に仕上げを行います。必要に応じて、滑らかに仕上げたり、模様をつけたりします。
施工にかかる時間は、数日から数週間にわたることがあります。
【ビニールクロスの施工】
ビニールクロスの施工は、比較的簡単で、短期間で終わります。
施工方法は、以下のように進められます。
下地の準備:壁面に下地処理を行い、ビニールクロスを貼りやすい状態にします。
クロスを切る:ビニールクロスを必要な長さにカットし、壁に合わせて貼り付けます。
貼り付け:クロスを均等に貼りつけ、空気を抜きながらしっかりと貼ります。
仕上げ:クロス同士を継ぎ目で合わせ、余分な部分を切り落とします。
ビニールクロスの施工は、1日から3日程度で終わることが多いです。
作業は比較的簡単で、特別な技術を要しません。
4.耐久性とメンテナンスの違い
【漆喰の耐久性とメンテナンス】
漆喰は、非常に耐久性が高い素材です。
適切に手入れをすれば、数十年もの間、修復なしで使い続けることができます。
漆喰の壁は、湿度を調整し、湿気を吸収して乾燥させるため、カビやダニの発生を防ぐ効果もあります。
ひび割れが起こることがありますが、その場合は簡単に修復できるのが特徴です。
漆喰は、汚れに強く、掃除がしやすいため、メンテナンスも簡単です。
落ちにくい汚れがついた場合でも、専用のクリーナーで落とせることが多いです。
【ビニールクロスの耐久性とメンテナンス】
ビニールクロスは、安価な素材で作られているため、耐久性が漆喰に比べると劣ります。
特に、湿気が多い場所や日光が当たる場所では、色あせや汚れが目立ちやすくなります。
また、破れやすいこともあります。
ビニールクロスは、10年〜15年程度で張り替えが必要になることが多いです。
簡単に掃除できるという点は便利ですが、傷がついた場合の修復が難しいため、張り替えが必要になることがあります。
5.見た目や雰囲気の違い
漆喰は、自然な風合いがあり、柔らかい印象を与えます。
そのため、温かみのある部屋作りをしたい方にはおすすめです。
また、漆喰は時間が経つにつれて独特の味わいが出てきます。
自然素材ならではの質感が、家の雰囲気をより良くします。
ビニールクロスは、人工的な質感があり、平らで均一な仕上がりです。
ビニールクロスは、デザインが非常に豊富で、色や柄を自由に選ぶことができるため、インテリアに合わせた選択肢が多いのが特徴です。
ただし、漆喰に比べると温かみや深みが少ないと感じる人もいます。
6.環境への影響
漆喰は、自然素材を使っているため、環境に与える負荷が少なく、リサイクル可能な素材です。
製造過程で化学物質を使用しないため、健康面や環境面でも優れた選択肢です。
ビニールクロスは、プラスチック製のため、製造過程で化学物質が使用され、環境への影響が懸念されます。
製造時に多くのエネルギーを使い、廃棄時にも環境に負荷をかけることがあるため、環境に配慮した選択をする場合、漆喰が好まれることが多いです。
まとめ
漆喰は、自然素材を使用し、長期的な耐久性や快適さを重視したい方におすすめです。
最初の費用が高くても、メンテナンスが少なく、快適な住環境を提供してくれます。
ビニールクロスは、コストを抑えたい、施工の手間を省きたいという方におすすめです。
施工が早く、選べるデザインも豊富ですが、耐久性が劣るため、定期的な張り替えが必要です。
自分のライフスタイルや予算に応じて、最適な選択をしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は「漆喰の塗り方」についてお話ししたいと思います!
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