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【漆喰コラム⑦】漆喰の素材について

こんにちは。

 

前回の漆喰コラム⑥では、漆喰の塗り方について詳しい手順と注意点をお話しました。

今回は、漆喰の素材についてお話します。

 

漆喰の素材について


漆喰(しっくい)は、古くから日本の建築に使用されてきた伝統的な仕上げ材料で、主に壁や天井に塗られ、建物の美観や機能性を高めます。

漆喰にはいくつかの天然素材が使われており、これらの素材がどのようにして漆喰を構成し、その特性を形成しているのかを詳しく理解することは、漆喰を用いた建築や改修作業において非常に重要です。

ここでは、漆喰の素材に特化して、その成分や製造方法、そして各素材の役割や特徴について解説します。

 

漆喰の基本的な構成と素材


 

漆喰は、主に以下の素材から構成されています。

①消石灰(しょうせっかい)

②砂(すな)

③水(みず)

④添加物(藻塩、米の糠など)

 

これらの素材がどのように漆喰の特性に影響を与えているかを一つ一つ詳しく見ていきましょう。

 

1.消石灰(しょうせっかい): 漆喰の主成分


消石灰は、漆喰の最も重要な成分であり、漆喰の基本的な性質や性能を決定づける材料です。

消石灰は、石灰石(せっかいせき)を高温で焼成(加熱)することによって得られる、白い粉末状の物質です。

焼成によって、石灰石に含まれていた炭酸カルシウム(CaCO₃)が分解され、酸化カルシウム(CaO)と二酸化炭素(CO₂)に変化します。

この酸化カルシウムが消石灰で、漆喰の主要な成分となります。

 

消石灰(水酸化カルシウム)の特徴
消石灰は強いアルカリ性を持っており、これが漆喰を硬化させるために重要な役割を果たします。

湿気と反応することで、二酸化炭素と結びついて炭酸カルシウム(CaCO₃)に戻り、固まる性質を持っています。

この反応が進むことで、漆喰は乾燥し、強度を増していきます。

 

水酸化カルシウムはこんにゃくの凝固剤、ガムや水飴の中和剤、ハム・ソーセージの結着材など、食品の製造工程でも多く使われる安全な成分です。安心・安全な成分でありつつも強い殺菌効果があるため、歯科治療に用いられることもあります。

 

消石灰の製造過程

石灰石の採掘:最初に、天然の石灰石(主にカルシウム炭酸塩からなる岩)を採掘します。

焼成:採掘した石灰石を高温で焼きます。この過程で、石灰石が炭酸カルシウムから酸化カルシウムと二酸化炭素に分解されます。

消石灰の粉: 焼成された酸化カルシウムを粉砕して消石灰を作ります。この粉末が漆喰の主成分となります。

 

2. 砂(すな): 漆喰の骨材


漆喰における砂は、漆喰の強度や硬化を助ける重要な役割を果たします。

砂は主にシリカ(二酸化ケイ素、SiO₂)を多く含む粒子で、漆喰の中に混ぜることで強度を高め、ひび割れの発生を防ぎます。

 

砂の役割
砂を混ぜることで、漆喰の硬化後の強度が増し、耐久性が高まります。

特に、外壁に塗る際には、風や雨にさらされることが多いため、砂が入っていることで耐候性が向上します。

ひび割れ防止: 漆喰の乾燥中にひび割れを防ぐために、適度に砂を加えることが重要です。

砂の粒子が適度に漆喰を補強し、ひび割れの発生を抑えることができます。

 

砂の種類

漆喰に使用される砂は、粒の大きさや形状、含まれる成分によって異なります。

例えば、河原砂や海砂など、さまざまな種類の砂が使用されます。

これらは、漆喰の用途や仕上がりに応じて選ばれます。

 

3. 水(みず): 漆喰の混合媒体


水は、消石灰と砂を混ぜるための重要な媒介物です。

水がなければ、消石灰と砂は一体化せず、漆喰としての性質を持ちません。

漆喰を作る過程で水を加えることにより、化学反応が始まり漆喰が硬化します。

 

水の役割
化学反応を促進:水は消石灰と反応し、炭酸カルシウムを生成する反応を促進します。

この反応が漆喰の硬化を引き起こし、最終的に堅牢な壁が出来上がります。

適切な粘度の調整:漆喰の施工には、適切な粘度が必要です。

水の量が多すぎると、漆喰がダマになりやすく、逆に少なすぎると施工が困難になります。

適切な水分量で混ぜることで、滑らかで塗りやすい漆喰が得られます。

 

4. 添加物(藻塩や米の糠など)


漆喰には、消石灰や砂、水以外にも、特定の効果を得るために様々な添加物が加えられることがあります。

これらの添加物は、漆喰の性質をさらに向上させ、施工をしやすくしたり、乾燥後のひび割れを防いだりする役割を果たします。

 

藻塩(もしお)
藻塩は、海藻を乾燥させた後に塩分を抽出して作る塩のことで、漆喰に粘りを加え施工をしやすくします。

また、藻塩に含まれる成分が漆喰を強化し、さらに防水効果を高めるため外壁に使用する漆喰に適しています。

 

米の糠(ぬか)

 


米の糠は、漆喰に柔軟性を与えるために使用されることがあります。

米糠を加えることで、漆喰が乾燥時にひび割れにくくなり、また自然な風合いが出ることもあります。

これは、漆喰の内部に微細な繊維が加わることで、強度が増すからです。

 

漆喰の作り方とその特徴


漆喰は、消石灰、砂、水、そして場合によっては添加物を使って作られますが、これらの素材がどのように反応して最終的な漆喰を形成するのかを理解することは非常に重要です。

漆喰が固まる過程では、まず水分が蒸発し、消石灰と水が化学反応を起こして炭酸カルシウムが形成されます。

この反応により、漆喰は時間とともに硬化し、非常に強い物質に変わります。

漆喰は自然素材であり、環境に優しいだけでなく、時間の経過とともにその美しさが増し、家の風合いをより深くしていきます。

そのため、長期的に見て非常に価値のある建築材料です。

 

まとめ


 

漆喰は、消石灰、砂、水、そして必要に応じた添加物から作られ、これらの素材が組み合わさることで、漆喰独特の特性が生まれます。

調湿作用、防火性、消臭効果、美しさ、健康への配慮など、多くのメリットが漆喰には備わっており、古くから多くの文化で愛されてきた理由がわかります。

漆喰を理解し、適切に使用することで、建物に大きな価値を加えることができるでしょう。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は「漆喰の世界の種類ついて」お話ししたいと思います!

 

 


 

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この記事を書いた人 WRITER

都丸 由佳里

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Tomaru Yukari

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