【漆喰コラム⑤】漆喰の塗り方:詳しい手順と注意点
目次
こんにちは。
前回の漆喰コラム④では、漆喰とビニールクロスの違いについてお話しました。
今回は、漆喰を塗る方法に加え、養生期間や施工中の注意点についても詳しく解説します。
はじめに
漆喰(しっくい)は日本の伝統的な塗り壁材で、石灰を基にした自然素材です。
湿気の調整や防火性、そして見た目の美しさが魅力ですが、塗り方にはコツがあります。
漆喰の施工には準備、施工、仕上げの3つのステップがあり、それぞれに注意点が存在します。
漆喰を塗るための準備
漆喰を塗る前に、しっかりとした準備が必要です。
準備段階での作業がきちんとできていないと、仕上がりに大きな差が出ることがあります。
道具と材料の準備
まず、必要な道具を揃えましょう。
漆喰を塗るためには以下の道具と材料が必要です。
●漆喰(しっくい)
ペースト状か粉末状で販売されているものがあります。初心者にはペースト状のものが扱いやすく、すぐに塗れるのでおすすめです。粉末の場合は、適量の水で混ぜて使います。
●ヘラ(ガンナ)
漆喰を壁に塗り広げるための道具です。ヘラには様々な種類があり、壁の広さや塗る場所に合わせて選びます。
●コテ(コテ板)
ヘラで塗った漆喰を押さえて、表面を滑らかに仕上げるための道具です。
●バケツ
粉末状の漆喰を使う場合、適量の水と混ぜるためのバケツが必要です。
●養生テープとシート
壁や床、天井など、漆喰が飛び散らないように周囲を保護するための道具です。
●スポンジ
仕上げの際に、表面を滑らかに整えるために使用します。
下地の準備
漆喰を塗る前に、下地(壁)をしっかり準備することが非常に重要です。
●壁の掃除
壁に汚れやホコリが残っていると、漆喰がうまく定着しません。
掃除機でホコリを取り、濡れた布で汚れを拭き取るとよいでしょう。
●ひび割れの補修
壁にひびが入っている場合は、補修材でひびを埋めておきましょう。
ひび割れを放置すると、漆喰が割れたり、剥がれたりする原因になります。
●壁の湿度確認
漆喰は乾燥した壁に塗ることが大切です。
湿った壁に漆喰を塗ると、うまく乾燥せず、仕上がりが悪くなります。湿気が気になる場所では、壁が完全に乾燥してから塗るようにしましょう。
下塗りの準備
漆喰を塗る前に、壁の下塗りが必要な場合もあります。
特に古い壁や乾燥しにくい壁の場合、下塗りをしておくと漆喰がしっかり定着しやすくなります。
下塗りには専用の下地処理剤や、薄い漆喰を使うことが一般的です。
下塗りが乾いてから本塗りを行いましょう。
漆喰の混ぜ方と塗り方
漆喰の混ぜ方
市販の漆喰がペースト状の場合、そのまま使えるので手間が省けます。
しかし、粉末状の漆喰を使う場合は、水と混ぜてペースト状にします。
混ぜる際のポイントは以下の通りです。
●水の加減
粉末状の漆喰を水で混ぜる際、少しずつ水を加えながら混ぜていきます。
最初は少量の水で練り、徐々に適量を加えていきましょう。
混ぜすぎると緩くなりすぎ、逆に水が足りないと固すぎて塗りにくくなります。
柔らかすぎず硬すぎず、しっかりとしたペースト状にすることが重要です。
●よく混ぜる
粉が残らないように、しっかり混ぜます。
手で混ぜる場合は、しっかりと力を入れて練りましょう。
混ぜる際にダマが残ると、塗りムラが出てしまうので注意しましょう。
漆喰を塗る
漆喰の塗り方には、以下の2つの段階があります。
●下塗り
まず最初に、薄く均一に塗り広げます。壁全体に薄く塗ることで、次に塗る層の密着がよくなります。
下塗りは、あまり厚く塗らないようにしましょう。
薄く均一に塗ることで、漆喰が乾燥しやすくなります。
●本塗り
下塗りが乾いたら、本塗りに入ります。
ここでは漆喰を厚めに塗ります。
塗る際には、ヘラを使って壁にしっかりと押しつけるように塗ります。
この時、壁にムラができないように、一定の方向に塗ることが大切です。
施工中の注意点
●湿度と温度の管理
漆喰を塗る際は、湿度や温度にも注意が必要です。
高温や湿気の多い日には、漆喰がうまく乾燥せず、仕上がりに影響を与えることがあります。
湿気の少ない晴れた日を選んで作業を行うのが理想的です。
また、乾燥を早めようと直接風を当てたりすると、ひび割れを引き起こす原因になりますので避けましょう。
●塗りムラを防ぐ
塗りムラができると、後で修正が難しくなることがあります。
できるだけ一回の塗りで均一に塗るように心がけ、塗る順番や方向を統一するとムラが防げます。
漆喰の仕上げ
漆喰を塗り終えた後、仕上げの作業も非常に重要です。
しっかりとした仕上げを行うことで、美しい壁に仕上がります。
仕上げ乾燥
漆喰を塗った後は、しっかりと乾燥させることが大切です。
乾燥には数時間から1日ほどかかりますが、乾燥が不十分だと、漆喰がひび割れたり、剥がれたりすることがあります。
乾燥中は壁を触らないようにし、風通しを良くしておきましょう。
表面の仕上げ
漆喰が乾燥した後、表面を滑らかに整えるためにコテを使います。
コテで優しく押さえるようにして、表面を平らに仕上げます。
乾燥した漆喰を湿らせて、スポンジで表面を滑らかにするのも効果的です。
仕上げ後のメンテナンス
漆喰は時間が経つと、色が少し変わったり、ひび割れが生じることがあります。
ひび割れが発生した場合は、補修用の漆喰を使ってその部分だけを修復しましょう。
養生期間と施工後の注意点
漆喰は湿気を吸収する性質があり、湿気の多い場所に塗るときは、特に乾燥に気を付ける必要があります。
乾燥期間中は、直射日光や湿気が多い場所を避け、できるだけ温度と湿度が安定している場所で養生するようにしましょう。
まとめ
漆喰の塗り方は、準備から仕上げまで一連のステップが重要です。
下地の準備や道具の選定、塗る際の手順や注意点をしっかりと守ることで、きれいな仕上がりを得ることができます。
特に乾燥期間や湿度管理には注意しながら作業を進めていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は「漆喰の家を建てた方々の体験談」についてお話ししたいと思います!
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