Question

Q 014 資金を有効に使うポイントをご存知ですか?

「これから住宅に使う資金は、何年で償却するんだろう?」
と考えたことはありますか?

現状日本の住宅の大半は26年で取り壊されていることから
 2000万円÷26年=80万円/年

一方、メンテナンスが出来て、耐久性の高い建物で少なくとも50年は住むとすると
 2000万円÷50年=40万円/年

ということになります。

上記のことは、一概に長持ちする家に住めば、その視野を広げた場合、年間40万円得をするといことだけを物語っている数字ではなく、家の価値がどのくらい維持されているかを示す数値として捉えても間違いではありません。
例えば現在35歳の人が26年で寿命を迎える住宅を35年の住宅ローンを組んで建築したとすると、
35歳(現在の年齢)+26年(家の寿命)=60歳(26年後の年齢)と、言う事になります。
ローンを10年残して、ましてや少子高齢化社会を背景にして年金問題が未解決、終身雇用の神話の崩壊した現代社会で、60歳で自宅がなくなる計算になってしまうのです。今の日本の平均寿命は何歳でしょう?女性が85.33歳、男性が78.36歳。すくなくとも自宅をなくして20年~30年間は、一体どこに住めばいいのでしょう?

ここで、メンテナンスフリーと言われる一般に流通している建材について考えて見ましょう。メンテナンスフリーの材料とは、一言でメンテナンスが全然いらない材料というわけでなく、メンテナンスが出来ない材料ですと自ら言っているようなものです。

例えば、外壁によく使われるレンガや石の模様の付いたサイディングなどは、この代表格。このサイディングは、はじめ色々な素材の質感を出すため色分けをして、本物の素材を模倣した材料です。最近ではメンテナンスフリーなセラミック塗装を施したサイディングまで一般に流通しています。でも、サイディングを20年後・30年後にメンテナンスするとすれば、全面貼り替えかもしくは、塗装工事になってしまいます。この塗装工事をした場合、前述した色分けをして素材感を出しているものが、一色の材料になりとても目を当てれないものへと変貌してしまうのです。20年後・30年後のメンテナンスを考えずにこの材料を選択してしまうと、余計な出費がかさんでしまうという結果に陥ります。

またこの一連の話をするなかで「耐久性」について述べなければいけません。では、一体建物における耐久性とはなんの事なのでしょう?

それは、結露をどのくらい防ぐ性能を建物は持っているかということに言い換えることができます。結露は、窓ガラスだけではなく、壁の中にも発生します。この壁の中に発生した結露が最も建物の寿命、つまり構造躯体に多大なダメージを与えるのです。この壁体内結露が発生する大きな原因として、断熱・気密工事が関係するもの、計画換気に関するもの、暖房計画の起因するもの、などあります。しかし見落としてはいけないものは湿度の問題です。これまでの住宅は、壁にはビニールクロス、床には複合フローリングなどの新建材を用いることが一般的でした。これらの建材は湿度を蓄えたり、放出したりする機能が備わっていません。一方、漆喰や珪藻土、無垢の材料などはその多孔性から湿度を調節する、調湿性を持っています。この調湿性が、室内及び壁体内の湿度を調整し結露を防ぐ役割をしているのです。

一生払い続けるローンを投資する住宅には、また、投資した住宅の価値を長く維持するためには、こんな切り口の問題もあります。本当に『投資するだけの価値がある住宅かどうか?』を見抜く能力を、私たちは身に付けなければいけないのです。
今までの私たちの家づくりの姿を見直し、日本は住宅後進国だということを認識した時、本当の『家づくり』が始まるのです。

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