Question

Q 007 「本物の木」で家を造れば健康にいいと思いますか?

「本物の木」がすべて人間の体に良いとは限りません。天然素材のなかにも体に悪い影響を与えるものはたくさんあるのです。

日本人は昔からヒノキを使って家を造っていました。ヒノキの匂いは心地よく、「ヒノキ風呂」といった形でよく使われています。このヒノキの匂いは、ヒノキが虫を寄せ付けないために発しているのです。この匂いは殺虫効果のある天然化学物質です。シックハウスや化学物質過敏症の人にとって、ヒノキのにおいは化学物質と同じなのです。つまり、この人たちにとっては、ヒノキはよくない天然建材の代表といえるでしょう。
ヒノキのような虫や菌を寄せ付けない木は、とても長生です。

逆に、虫や菌を寄せ付けやすい木は、人に優しいといえます。日本を代表する桜の木は春になると毛虫だらけに。松はマツクイ虫にやられてしまいます。毛虫が好む木は、外敵から身を守る毒をもっていないので、人間の体にも安全だといえます。

木の特性を活かして、構造材には殺虫・殺菌効果の高いヒノキを使い、内装材にはマツやサクラなどの体に優しい木を使うのがよいでしょう。天然素材であればすべて安全だと思ってしまうのは危険です。使う素材をよく理解し、住宅の中で適材適所に利用できて初めて人が健康で安全に暮らせる住宅が出来るのです。

長生の木:ひのき、ヒバ、杉 など
安全な木:桜、なら など

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